塾より必須？！
東大生の習い事として
ピアノが人気な理由

一般的にピアノを習っている小学生は4人に1人となっていて、この20年間くらい変わらない傾向だそう。

しかし、東大生を対象にした調査によると、なんと2人に1人が幼少期にピアノを習っていたようで、ヴァイオリン・他音楽系全般となるとその数は全体の約6割を超えると言います。東大生の音楽の習い事がいかに多いかが分かりますよね。

さらに、東大合格に役立った子どもの時の習い事を尋ねた別の調査では、学習塾や英会話などを除く非学習系の習い事の中で、習字に次いで2番目に高い貢献度だったそうです。

出典：東洋経済ONLINE/東大生にピアノ経験者が圧倒的に多い理由

「ピアノ」は知育効果の高い習い事とされています。
では、具体的にピアノの何が脳機能の発達に影響を与えるのでしょうか？

① 左右異なる指の運動

ピアノを弾くとき、例えば右手はメロディ、左手は伴奏、といったように、左右の指がそれぞれ独立した動きをします。

この時、右手の動きは左脳から、左手の動きは右脳から、それぞれ指令が出ています。

左右同じ動きをする時よりも、左右違う動きをする時の方が、左脳と右脳が互いに負けじと指令を出し合うため脳の活動は活発になり、鍛えられるのです。

② 楽譜を読む

ピアノを弾く時、指を動かし鍵盤を叩くと同時に私たちが行っている行為が「楽譜を読む」こと。

楽譜を読みながら演奏するには、楽譜の情報を瞬時に頭の中で指の動きに変換する必要があり、視覚情報を動きに変換する脳の領域（上頭頂小葉）が活発に働きます。

この頭頂葉は、楽譜の視覚処理、音の高さやリズムの認識、楽曲の記憶などに重要な役割を果たします。

このように、脳のさまざまな領域を刺激し、脳の機能を向上させることができるのです。

③ 暗譜

ピアノを習っていると、発表会など、楽譜を暗記して（暗譜）ピアノを弾く機会も。

暗譜してピアノを弾くには、「指の動き」「音の響き」「楽譜の情報」を総合的に体に覚え込ませることが大切なため、演奏中様々な脳の領域が一気に活発に働きます。

記憶を司る脳の領域（海馬）が鍛えられ、より多くの記憶を蓄えることができるようになります。

脳科学者澤口俊之さんによると、ピアノの稽古で脳梁が太くなり語彙が増えるという研究結果もあるそう。

感情や思考に関わる小脳、記憶に関わる海馬含め、運動野・聴覚野・視覚野といった脳の様々な領域が一斉に活発に働き、脳機能が満遍なく鍛えられます。

さらには脳が良い方向に鍛えられることで、創造性や社会性の向上も見込まれます。

勉強ができるだけでなく、環境適応能力など社会に出てからも役立つ力が身につくのです。

この社会性やコミュニケーション力、自制心、忍耐力といった生きていく上で必要な能力のことを「非認知能力」といいます。

自ら決めたこと（目標・目的）をやり抜く力やリーダーシップ力といった数値ではかることのできない個々の持つ特性による資質や能力のことを指す「非認知能力」。

今や学習指導要領にも記載され、子どもの「非認知能力」は、受験や将来の夢を叶える成功の鍵になるとも注目されています。

出典：PTNA ピティナ・ピアノホームページ

受験に子どもの非認知能力がどのように関わってくるのかというと、まずは志望校選びの時。

受験には合否がありどうしても学校側が自分を選んでくれる・くれないといった視点になりがちですが、そもそも「どの学校に通いたいのか」決めるのは受験する子どもの方。

「”○○をするために””○○を学びたい”から、この学校に通いたい！」と自分主体で目標を決めることで、意欲を持って、たとえ辛い時期でも忍耐力で乗り越え、勉強に取り組むようになるのです。

受験の合否が人生の到達点ではありません。

その先、学びの場においても、仕事の場においても、「〇〇のために〇〇をする（したい）」と主体性を持って考え行動することができる力は、お子さまの夢を叶えるための大きな助けになるでしょう。

東大に合格するためにピアノを習ったという方は多くはないでしょうが、ピアノを習うことで、結果的に良い影響をもたらしてくれることは、東大生が実証しています。

楽譜を読む力・音感・リズム感はもちろん、協調性や集中力・忍耐力など、ピアノを習うことで身につけられる力は様々。

そのため、ピアノを習うことは、受験だけでなく、将来の成功にもつながると考えられます。

脳を良い方向に変え、非認知能力を高め、勉強ができるだけではなく社会でも通用する力を子どもの頃から育てていくために、ピアノ、おすすめです。